腎蔵の機能障害で鍼灸治療をお考えの方へ
Kidney dysfunction
原因としてはいくつかの原因がありますが、数値的に表現されるところが指標になりますので、それについての一般的な考え方と、症状の維持改善に必要な養生について、以下、最小限の事項を認識ください
また、医療機関の受療は必要不可欠である事をご理解ください。
クレアチニン値(Cr)
筋肉の運動によって生産された老廃物がクレアチニンで、腎臓で“ろ過”さえて排出されないと高値になります。
正常値は男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下とされています。
eGFR
腎臓の細胞が働いている割合で、次の通りに分類されています
90%以上 正常
90~60% 正常~軽度低下
60~45% 軽度低下~中程度低下
45~30% 中程度低下~高度低下
30~15% 高度低下(慢性腎臓病)
15%以下 高度腎不全
クレアチン値(Cr)とeGFRの関係
クレアチニン値(Cr) | eGFR |
1 | 50% |
2 | 30% |
3 | 18% |
5 | 10% |
6 | 8% |
5% |
※クレアチニン値から、年齢・体重・身長、及び性別によって算出されますので、上記は“およそ”の値となります。
概ね、クレアチニン値が5~6を超えると人工透析の準備が必要になると認識されますので、1~2の時点では余裕があると考えがちですが、上記の3項目でお判りいただけますように、腎機能はクレアチニン値が1になった時点で50%、2になった時点で、30%の働きである事を御認識ください。
食事
タンパク質:基本的には摂取しない方がよい
全く食べないと体も内臓も痩せてしまう
高カロリー&アミノ酸スコアの高いものを少量摂る
(肉・魚・鰹節・鶏卵・大豆/プロセスチーズ/里芋・ブロッコリー など)
※ブロッコリーのクラウトはカリウムを多く含みます
ナトリウム:いわゆる塩分を1日6gに抑える
(気に掛けていないと平均10g摂っている)
カリウム:あまり摂らない方がよい
高濃度に注意-野菜・果物(野菜・果物のジュース)・青汁は最悪です
プリン体:老廃物が尿酸で、尿酸が腎細胞を傷つける
(煮干し・鰹節・干し椎茸・カツオ・イワシ・ささみ・エビ・レバー など)
運動
適度(軽度)な有酸素運動とウエイトトレーニングは必要です
汗が出る程、また、筋肉痛が出る程の運動は老廃物を作っている事になります
老廃物は腎臓に負担が掛かるのでよくありません
汗・筋肉痛が出ない程度の運動を継続して、筋力と運動機能を維持しましょう
寝不足
回復力の働く睡眠時間を短縮することは避けましょう。
疲れを回復しない状態で活動することは過労にもつながります。
漢方薬
薬物に関する資格は持ちませんので詳しい事、直接的なアドバイスはできませんが、特に甘草を含む処方は良くないと耳にしますので専門の方に相談してください。
※医師の診断を仰ぐことは必須ですが、漢方薬を含め、その他の療養併用は個人の判断に委ねる事になりますが、多岐に亘れば、逆に体への負担が大きくなり、効果が薄れるか、最悪の場合、悪化させる可能性もあるのではないかと危惧するところでもありますので、ご一考いただける事をお願い致します。
予後の目安
機能低下した腎臓は、基本的には非常に回復が難しい臓器です。
治療開始時の程度によって目標が変わってきますが、治療と養生(食事・運動など)を心がけ以下の通りとお考え下さい。
・軽度であれば、機能回復すること
・中程度であれば、現状を維持して、将来的な透析を回避すること
・高度であれば悪化速度を低減して、人工透析の開始時期を先延ばしすること